毛穴

本当は、毛穴は開いているのではありませんでした。

「最近、なんだか急に毛穴が目立ってきた気がする……」

シャレコ・スキンケアには、一年を通して毛穴に関する切実なお悩みが数多く寄せられます。

特に気温や湿度が上昇する7月頃になると、こうしたご相談の件数は一気に跳ね上がります。

鏡を見るたびに、ぽつぽつとした毛穴が気になって仕方がない

ファンデーションを塗ると、毛穴落ちがひどくなってきた

夕方になるとお肌がくすみ、毛穴がさらに汚くなってしまう

お肌のデリケートな変化を察知するたび、多くの方が「やっぱり年齢のせいかしら」

「暑さのせいで毛穴がパカッと開いてしまったんだ」と、ご自身を責めたり、焦りを感じたりしてしまいます。

もちろん、紫外線や過剰な皮脂、エアコンによる乾燥などが毛穴のコンディションに影響を与えることは間違いありません。

それは皮膚科学的にも立証されている事実です。

しかし、現代の毛穴トラブルにおける「もう一つの、そして最も大きな原因」があると考えています。

その「毛穴が気になる錯覚」の正体は?

 

その「毛穴が気になる錯覚」の正体は?

それは、あなたのお肌そのものが急激に悪化したからではないかも知れません。

「毛穴が変わった」のではなく、「毛穴を見る環境」が、

これまでの人類が経験したことのないレベルで激変してしまったかなのです。

昔の女性は、こんなに自分の顔を見ていなかった

ひと昔前の私たちのライフスタイルを振り返ってみると、今から20年、30年前の時代、

女性たちは一日に何回、どのような環境で自分の顔を見ていたでしょうか。

  • 朝: お出かけ前のお化粧のときに、洗面所やドレッサーの鏡で見る。
  • 昼: 出先やお仕事の合間に、コンパクトの鏡でサッと化粧直しをする。
  • 夜: お風呂上がりやクレンジングのときに、一日の汚れを落としながら見る。

せいぜい、一日にこの3回から数回程度だったはずです。気になる人でも、せいぜい

7~8回程度、時間にして合算しても、わずか数十分程度だったと思います。

ところが、現代を生きる私たちの毎日はどうかというと、私たちの周りには

自分の顔を映し出す「携帯電話や高機能な鏡」などがいっぱいあります。

  • スマートフォンのインカメラを起動したとき、待ち受け画面に映る自分
  • オンライン会議で、画面の片隅に映る自分の顔
  • LINEのビデオ通話や、友人との自撮り
  • SNSへの投稿動画や写真のチェック(スマホを二本指で超拡大して確認)
  • 自宅の洗面所に導入された、手元まで明るいLED照明
  • 毛穴の奥までクッキリと見える、5倍鏡や10倍鏡といった拡大鏡

私たちは、自覚している以上に、一日のうちに何十回、何百回と自分の顔を凝視する

環境におかれていることに気づきました。

「最も自分の肌を頻繁に、そして最も近い距離で見続ける時代」を生きているんですね。

あなたの毛穴を、一番近くで見ているのは「あなただけ」

ここで、私たちが日常で人と接するときの「物理的な距離」をしらべてみました。

あなたの毛穴を、一番近くで見ているのは「あなただけ」

人間関係における距離感(パーソナルスペース)を客観的に見るととても面白い事実がありました。

場面・関係性 平均的な距離
一般的な対面での会話・お仕事の打ち合わせ 約 80 cm ~ 120 cm
家族や恋人など、ごく親しい人との距離 約 40 cm ~ 50 cm
スマートフォンを操作・閲覧するときの距離 約 20 cm ~ 30 cm
10倍鏡などの拡大鏡を使用するときの距離 わずか 数cm

確かに!!って感じですよね。

普段、あなたのご家族やご友人、職場の同僚たちがお互いを見ている距離は、どんなに近くても

50cmから1mほど離れています。その距離から見れば、お肌は一つの「面」として認識され、

個々の小さな毛穴が目につくことはまずありません。

しかし、あなたがスマートフォンを見つめるとき、あるいは洗面所の鏡にグッと顔を近づけるとき、

その距離は20cm、あるいは数センチという超至近距離になります。

つまり、「他人は絶対に見ていない(見えない)距離から、自分だけが毎日、一生懸命に毛穴を探し出している」

という状態が作られているのです。誰も気づかないレベルの極小の凹凸を、自分自身の目だけが厳しく監視している。

これって、すごく過酷な状況だと思いませんか?

そう、毛穴が急激に巨大化したのではありません。あなたが、お肌のコンディションを「見えすぎる距離」から判断するようになってしまったのです。

心理学が証明する「選択的注意」の罠

なぜ、一度毛穴が気になり始めると、鏡を見るたびにそこばかりに目が向いてしまうのでしょうか。

ここには、人間の脳の仕組みに関わる、非常に興味深い心理学の法則があると思います。

「選択的注意(カクテルパーティー効果)」という話、聞いたことありませんか?

脳は、毎日五感から入ってくる膨大な情報の中から、自分が「重要だ」「気になる」と判断した

特定の情報だけを無意識に選び出し、強調して認識するシステムを持っているそうなのです。

  • 例①: 「青い車がいいな、青い車を買おう」と決めた瞬間から、なぜか街中に青い車ばかりが走っているように感じる。
  • 例②: 自分が妊娠したり、家族に妊婦さんができたりすると、急に街を歩く妊婦さんの姿ばかりが目につくようになる。

街を走る青い車の総数や、妊婦さんの人口がその日に急増したわけではありませんが、脳が「青い車」「妊婦さん」というキーワードを

最優先事項としてマークしたため、それ以外の景色を背景として処理し、その対象だけを浮き上がらせているということなのです。

お肌のお手入れも、これとまったく同じ仕組みに囚われてしまいます。

ある日、スマホの画面に映った自分の毛穴にハッとして、「あ、毛穴が目立っているかも」と脳に強くインプットされると、

それ以降、脳は鏡を見るたびに「毛穴を探せ!」という指令を出し続けます。

洗面所の鏡の前に立ったとき、脳はあなたの「お肌のハリ」や「血色の良さ」「優しい表情」といった素敵な部分をすべてスルーし、

真っ先に毛穴のスポットへと視線を誘導します。だから、毎日何度も鏡を見るうちに、

「昨日よりも、先月よりも、確実に毛穴がひどくなっている」という強固な思い込み(錯覚)が作られていってしまうのです。

もしかして、そうなっていたかも?と感じる方おられるのではないでしょうか?

実際には、あなたのお肌の見え方、つまり「あなたの脳のフォーカスの当て方」が変わっただけなのです。

光学の視点:白色LED照明は「影」を深く映し出す

光学の視点:白色LED照明は「影」を深く映し出す

さらに、現代の住環境における「光の性質(光学)」も、この毛穴の錯覚に拍車をかけていそうです。

昔の洗面所やホテルの化粧室を思い出してみてください。どこか温かみのある、オレンジ色や黄色っぽい「白熱灯」が主流でしたよね。

白熱灯の光は波長が柔らかく、お肌の細かな凹凸をふんわりと包み込んでカモフラージュしてくれる効果(ソフトフォーカス効果)がありました。

しかし現在の主流は、白く直線的で、非常に強い光を放つ「白色LED照明」です。どんどん広まって、まぶしい、頭が痛くなるくらいに明るい光が放たれています。

LEDは手元を明るく照らし、物の色を正確に認識させてくれるという素晴らしいメリットがある反面、お肌に対してはすごくシビアな働きをします。

光が直線的であるため、ほんのわずかなお肌の凹凸に対して、非常にくっきりとした、濃い『影』を作り出してしまうのです。

さらに、洗面所の照明の多くは、頭の「真上」に設置されています。

光が真上から当たると、お肌にある小さなくぼみ(毛穴)の下側に、深く暗い影が落ちます。野球場のナイター照明で、選手の顔に濃い影が出るのと同じ感じです。

先日宿泊したホテルの洗面台で顔を見たところ、信じられないくらいにキレイに映っていて、あれ?この鏡は特殊なのかな?と思ったのですが、それよりもわかったことは

天井からの証明がなく、下から照らすような間接照明だったのです。

この光のイタズラもあって、洗面所の鏡に映る顔は、実物以上に毛穴が深く、大きく、まるで「クレーター」のように見えてしまうことがあるんだと感じました。

正直なところ思わず鏡の前で「最悪……」とため息をつき、落ち込みたくなるような瞬間ですが、そんなときは外へ出て、太陽の光(自然光)の下や、柔らかい間接照明の部屋でお肌を見てみれば、「あれ? さっき洗面所で見たほどは目立っていないな」となると思います。

お肌そのものが数分で変わるわけはありません。影の濃さを変えていたのは、照明のせいだっただけですからね。

相手が見ている世界と、あなたが気に病んでいる世界は、まったく異なっています。誰も気にしていない、

光やレンズの歪みが生み出した見え方なだけで、あなた一人だけが傷つき、自信をなくしてしまう必要はないんです。

これが、スマホ時代が作り上げた「毛穴トラブル」の正体だと考えています。

もちろん、

「毛穴の悩みなんて、全部気のせいだから気にしなくていいですよ」と言いたいというわけではありません。

実際に、日本の夏という季節は、皮膚科学的にお肌のキメが乱れ、物理的に毛穴が目立ちやすくなる過酷な条件が揃っているので、

多少の毛穴の目立ちは出るのですが、「毛穴がパカッと開く」というほどでないのです。

本当に変わっていたのは、毛穴の形ではなく「光を反射する肌の力」だった

なぜ、私たちは夏になると「毛穴がひどくなった」と感じるのかというと、「毛穴を囲んでいるお肌全体の変化」にあります。

毛穴は「筋肉」のように動かない

スキンケアの広告やSNSの美容情報では、よく「引き締め成分で、開いた毛穴をキュッと閉じる」「暑さで毛穴がパカッと開いてしまう」といった表現が使われます。

これらを見ていると、まるで毛穴の周りに巾着袋の紐のような筋肉がついていて、温度や刺激によって自発的に開閉しているかのようなイメージを抱いてしまいがちです。

でも、皮膚科学的な事実をお伝えすると、毛穴には自ら進んで「開いたり」「閉じたり」するような筋肉(平滑筋など)は存在しないのです。

毛穴は、皮脂を分泌する皮脂腺とつながっているお肌の「出口」であり、単なる皮膚のくぼみです。ですから、

「朝はキュッと閉じていたのに、お昼になったら暑さのせいで蛇口が開くように開いた」ということは、お肌の構造上、基本的にはあり得ないのです。

では、なぜ私たちの目には、日によって、あるいは季節によって毛穴が大きく開いているように映るのかというと

毛穴が目立って見える日、お肌のうえで起きているのは「毛穴の穴そのものが巨大化している」のではなく

「毛穴の周囲を含めた、お肌全体のコンディション(キメ)が変わり、見え方が変わっている」だけなのです。

人間の健康なお肌の表面には、「皮溝(ひこう)」という細い溝と「皮丘(ひきゅう)」というふっくらとした盛り上がりがあり、これらが規則正しく並ぶことで「キメ(肌理)」を形成しています。

キメが美しく整っているお肌は、水分をたっぷりと抱え込んでお肌が内側からふっくらと立ち上がっているため、光を均一に美しく反射します。

そこには当然、生物として必要不可欠な「毛穴」が存在しているのですが、光のベールに包まれるため、目で見たときに毛穴が周囲に馴染み、ほとんど気にならなくなります。

これが、私たちが目指すべき「毛穴が気にならない肌」なのです。

夏の過酷な環境が、お肌から「光の反射力」を奪う

夏の過酷な環境が、お肌から「光の反射力」を奪う

しかし、夏のお肌には、この美しい「繊維(キメ)」を乱してしまいがちになります。

  1. 強く降り注ぐ紫外線:紫外線(特にUV-A波)は、お肌の奥深くまで届き、ハリを支える成分にダメージを与えます。これによりお肌の弾力が低下し、毛穴の周りの皮膚がしぼんで、くぼみが深く見えるようになります。
  2. 大量の汗と皮脂の分泌:暑さによって分泌された汗が蒸発するとき、お肌の角質層にある大切な水分まで一緒に奪い去っていきます。また、過剰に分泌された皮脂が紫外線によって酸化すると、お肌への刺激となり、角質のターンオーバーを乱す原因になります。
  3. 冷房による過酷な乾燥:エアコンの風がお肌の水分を奪い、乾燥させます。「汗でベタついているから潤っている」というのは大きな誤解で、夏のお肌の内側はカラカラに乾いている「インナードライ」状態に陥りやすいのです。
  4. 日常の何気ない摩擦:流れる汗をハンカチやフェイスタオルでゴシゴシと拭き取る、マスクの着脱で擦れる、メイク崩れを直すためにパフで何度も強く叩き込む……。これらの摩擦は、お肌の最も繊細な表面のキメを物理的にめくり上げ、乱してしまいます。

これらのダメージが積み重なると、お肌の表面は水分を失ってしぼみ、キメの並びがバラバラになってしまいます。

均一だった表面が凸凹になれば、当然、お肌は光をまっすぐに返せなくなります。

その結果、「毛穴のくぼみのエッジ(フチ)に、光の遮断による微細な影がくっきりとでき始める」のです。

私たちは、その乱反射によって生まれた影を見て、

「大変、夏になって毛穴が開いてしまった!」

と錯覚してしまうのです。原因は毛穴の直径が物理的に広がったからではなく、お肌全体の「光を反射する力」が低下し、お肌が影だらけになってしまったからなのです。

「夕方のドロドロ顔」と「毛穴の目立ち」の深い関係

あなたも、このような経験はありませんか?

夕方、オフィスの洗面所の鏡を見たとき。毛穴がぽつぽつと目立っているだけでなく、なんだかお顔全体がどんよりと暗く、ドッと疲れて見える……。ファンデーションもくすんで、お肌の透明感がどこかへ消えてしまったような感覚です。

「毛穴が目立つこと」と「顔全体がくすんで疲れて見えること」。

多くの方は、これらを「毛穴の開き」と「肌疲労・くすみ」という、全く別の肌トラブルとして捉えがちです。そのため、毛穴には毛穴用の引き締め液を塗り、くすみには美白美容液を重ねる、といったパッチワークのようなお手入れに走ってしまいます。

しかし、ここまでの「光のメカニズム」を理解していただければ、もうお分かりのはずです。

これらは、決して別々の現象ではありません。すべて「お肌のキメが乱れ、水分が失われたことで、お肌が光を綺麗に反射できなくなっている」という、全く同じ一つの根本原因から枝分かれした現象なのです。

お肌全体のキメが乱れて光が遮られるから、お顔全体が暗く(くすんで)見え、同時に、毛穴の凹凸にも深い影が落ちて目立ってしまう。

つまり、「毛穴が目立つお肌」と「透明感のない疲れたお肌」は、表裏一体なのです。

毛穴が気になるからと、「毛穴専用ケア」を頑張るほど空回りしてしまうのか

「毛穴専用ケア」を頑張るほど空回りしてしまうのか

毛穴が気になり始めたとき、多くの女性がまず手に取るのはどのようなアイテムでしょうか。

  • 毛穴の汚れを強力にかき出す、スクラブ洗顔やクレイパック
  • 角栓をペリッと物理的に引き剥がす、強力な吸着型の毛穴パック
  • お肌を一時的にキュッと緊張させる、アルコール(エタノール)高配合の収れん化粧水
  • 毛穴を物理的に埋めて隠す、シリコン高配合の部分用メイク下地

確かに、これらは使った直後に「角栓が取れた!」「お肌がサラサラになった!」という即効性を感じられるため、お手入れの手応えを得やすいのですが、

もし、これまでお話ししてきた「お肌全体のキメの乱れ、乾燥、光の乱反射」に起因しているとしたら、強力な洗顔やパックでお肌を強く擦れば、お肌のキメはさらに激しくめくれ上がり、ヨレてしまいます。アルコールで一時的にお肌を引き締めても、水分が蒸発する際にお肌はさらに乾燥に傾きます。

つまり、「毛穴そのもの」を攻撃するお手入れを頑張れば頑張るほど、周囲のお肌のキメはさらに乱れ、より一層「毛穴の影が目立ちやすいお肌」という悪循環を自ら作り出してしまうケースが少なくないのです。

「こんなに一生懸命毛穴ケアをしているのに、どうして年々ひどくなるんだろう……」と悩んでいる方は、決してお肌の底力が足りないわけではありません。お手入れのアプローチの方向性が、お肌の望む方向と違ってしまっているだけなのです。

シャレコが「毛穴専用アイテム」を作らない理由

私たちシャレコ・スキンケアは、創業から23年間、数え切れないほどの毛穴のお悩みと向き合ってきましたが、お客様に対して「まずはこの毛穴専用美容液で引き締めましょう」といったご提案をすることはありません。

なぜなら、部分的な「穴」だけをどうにかしようとする美容は、根本的な解決にならないことを知っているからです。

私たちが何よりも大切にしているのは、一見遠回りに思えるかもしれませんが、「お肌全体のキメを、優しく主体的にはぐくみ、整えること」。ただこれに尽きます。

キメが美しく整えば、お肌は特別な成分に頼らなくとも、自らの力で光を美しく跳ね返せるようになります。内側から水分で満ちてふっくらとしたお肌は、くぼみ(毛穴)の周囲を自然に押し上げ、影を消し去ってくれるからです。

結果として、毛穴のサイズを無理やり変えたわけではないのに、「そういえば、いつの間にか鏡を見ても毛穴が気にならなくなっている!」という、お肌本来の劇的な変化が起こり始めるのです。

毛穴を無理に小さくコントロールしようとするのではなく、「毛穴が最初から気にならない環境のお肌」を、あなた自身の手で育てていく。これこそが、シャレコが長年貫き続けている毛穴ケアの考え方です。

具体的に今日から、どのようなお手入れをおこなえば、その「毛穴が気にならないお肌」を育てることができるのかをお伝えします。

毛穴を追いかける美容からの卒業――「気にならない肌」を育てる4つの約束

毛穴が気にならない、健やかで美しいお肌」を育んでいけばよいのか、その具体的なステップをお伝えします。

アイテムをたくさん「増やす」ことではなく、今おこなっている毎日のお手入れの中で、お肌のキメを乱している原因」を優しく丁寧に取り除いていくことからのスタートです。

毛穴は原因ではなく、お肌が発した「結果」である

具体的なお手入れのお話に入る前に、一つだけ、今までの美容に対する考え方を変える内容をお伝えします。

私たちは、毛穴が目立つとそれを「諸悪の根源(原因)」のように捉え、撲滅しようとしてしまいます。

しかし本来、毛穴はお肌のトラブルの原因ではなく、お肌のコンディションが今どうなっているかを健気に教えてくれている「結果(サイン)」なのです。

お肌の水分が足りていないとき、摩擦で表面が傷ついているとき、お肌は「今、キメが乱れて光を反射できなくなっていますよ」というサインを、毛穴の周りの影という形(結果)で私たちに伝えてくれているのです。

ですから、結果である毛穴の穴だけをゴシゴシと弄(いじ)くり回しても、本当の解決には至りません。サインを真摯に受け止め、「お肌全体が今、SOSを出しているんだな。いたわってあげよう」と、お肌全体の環境作りに目線を移すことが大切です。

この意識の転換ができるかどうかが、「毛穴迷子」から抜け出せるかどうかの大きなカギとなります。

シャレコ流・毛穴が気にならない肌を育てる4つの習慣

お肌の本来の力(自ら潤い、キメを整える力)を邪魔せず、光を味方につけるお肌を育てるために、シャレコが23年間一貫してお伝えし続けている「4つの約束」をご紹介します。どれも今日から、ご自宅の洗面所で始められるシンプルなことばかりです。

① 「24℃の水に近いぬるま湯」で、お肌のうるおいを守り抜く

洗顔の際、お湯の温度を意識したことはありますでしょうか。「体温より少し低いくらいのぬるま湯(30℃〜32℃など)」が良いとよく言われますが、毛穴やキメの乱れに悩むお肌にとって、この温度はまだ少し「高すぎる」場合があります。

特にお風呂がてらに、シャワーの温度(38℃〜40℃前後)のまま顔をすすいでしまうのは、お肌にとっては大打撃です。熱いお湯は、お肌のキメを繋ぎ止めている大切な細胞間脂質(セラミドなど)や必要な皮脂を、驚くほどの勢いで流し出してしまいます。潤いを失った角質は瞬時に硬くなり、ヨレて、毛穴の影を深くします。

シャレコがおすすめする洗顔の適温は、「24℃前後のぬるま湯」です。 手に触れたときに「あたたかい」と感じる温度ではなく、冷たくない、極めてマイルドな水」という感覚です。

この温度でお顔を優しくすすぐことで、お肌に必要な天然のバリア物質をしっかりと残しながら、不要な汚れだけを落とすことができます。これだけで、洗顔後のお肌のふっくら感、そしてキメの整い方が見違えるように変わってきます。

② 「落とす」のではなく「やさしく離す」――徹底的な摩擦ゼロへ

毛穴の黒ずみや角栓が気になると、クレンジングや洗顔の際、つい指先に力が入ってしまいがちです。小鼻の周りを指の腹で何度もクルクルと強く擦ったり、ファンデーションを毛穴の奥から掻き出そうと肌を押し込んだりしていませんか。

前述の通り、お肌の表面の角質層は、わずか「ラップ一枚分」ほどの厚みしかありません。

良かれと思ったその指先の強いタッチが、お肌のキメを削り取っていくのです。

シャレコのクレンジングや洗顔の基本思想は、「汚れを擦って落とす」のではなく、化粧品や汚れをお肌の表面から「優しく浮かせて、離す」というイメージです。

指先がお肌に直接触れて擦れる手応えを感じるようでは、力が強すぎます。常にクレンジングジェルや洗顔の泡の「厚み」を指先とお肌の間に挟み、お肌が1ミリも動かないくらいの超ソフトタッチを意識してください。

「今まで、どれだけお肌をいじめてしまっていたんだろう」と気づくことができれば、お肌のキメはみるみるうちに本来のなめらかさを取り戻し始めます

③ 油分を重ねる前に、まずは「たっぷり保水」でお肌を満たす

お肌のベタつきや毛穴の目立ちが気になると、「乳液やクリームを塗ると油分過多になって毛穴が詰まりそう」と、保湿を極端に控えてしまう方がいます。逆に、乾燥を恐れるあまり、まだお肌が十分に保水されていない状態のまま、濃厚なオイルや高栄養のクリームを蓋をするようにベタベタと重ねてしまう方もいます。

皮膚科学において、お肌のキメをふっくらと立ち上げ、光を綺麗に反射させるために最も必要なのは、間違いなく油分ではなく「水分(保水)」です。

お肌の角質層が水分で満たされると、細胞の一つひとつがまるで水を吸ったスポンジのようにぷっくりと膨らみます。周囲の皮膚が内側からバルーンのように膨らむため、中央にある毛穴のくぼみは自然と周囲に押し上げられ、フラットな状態に近づいていきます。

シャレコが長年、何よりもローション(化粧水)による保水を大切にしていただいているのは、この「お肌の水分タンクを満たすこと」こそが、キメを整えるための絶対条件だからです。

ベタつくからといって化粧水をササッと済ませるのではなく、お肌が「もうこれ以上吸い込めない」というくらい、優しく何度も手のひらでお肌に水分をなじませてあげてください。内側が水で満たされたお肌は、それだけで透明感が上がると同時に、毛穴の存在感を光の力で消し去ってくれます。

④ 鏡を見る環境を変える――「毛穴」ではなく「顔全体」を見る

お手入れの方法と同じくらい大切なのが、「毛穴を見る環境」をご自身の意識でコントロールすることです。

今日から、以下の具体的な行動をして、脳のフォーカスしているものをを書き換えていきましょう。

  1. 鏡を見る距離を「離す」:洗面所で鏡を見るときは、意識的に一歩、後ろへ下がってみてください。それこそが、普段あなたの周りの大切な人たちが、あなたの素敵な表情を見ている「本当の距離」です。その距離でお肌を評価する習慣をつけましょう。
  2. 10倍鏡は「チェック用」として時々使用にする:拡大鏡は、目元の細かいアイラインを引くときや、ピンポイントのトゲ・汚れを確認するためだけの「道具」です。「今日のお肌の調子が良いか悪いか」を判断するための評価基準として拡大鏡を使うのは、今すぐ卒業しましょう。
  3. 毛穴ではなく「顔全体の印象」に意識を向ける:鏡の前に立ったとき、真っ先に小鼻の毛穴に視線を落とすのをグッと堪えてみてください。代わりに、「今日の表情は明るいかな?」「お肌全体にみずみずしい透明感があるかな?」「優しい笑顔ができているかな?」と、お顔全体のバランスやトーンを見るようにします。

最初は物足りなく感じるかもしれません。しかし、脳が「毛穴探し」をやめ、お肌全体の健康状態に目を向け始めると、不思議なことに、「あれ? そういえば最近、毛穴のこと全然気にしていなかったな」と思える日が、本当に自然と訪れるようになります。

毛穴を追いかける美容から卒業し、肌全体を健やかに育てる楽しさへ

スマートフォンが普及し、LED照明が暮らしを照らし、オンラインでのコミュニケーションが当たり前になった現代。私たちは便利さと引き換えに、「自分の肌を過剰に気に病み、傷つきやすい環境」を生きることになりました。

しかし、ここまでお読みいただいたあなたなら、もう洗面所の鏡の前でため息をつく必要はないですよ。

そこに映る毛穴の影は、あなたの美しさが損なわれた証拠ではないのです。デジタルレンズのイタズラであり、光と影の物理現象であり、そして「最近、少しお肌が乾燥して疲れているよ」とお肌が教えてくれている、健気なサインに過ぎません。

人があなたを見るとき、見つめているのは決してポツポツとした一つひとつの毛穴ではありません。

あなたが浮かべる温かい笑顔、ハツラツとした表情、お肌全体から溢れ出るようなみずみずしい清潔感や透明感。そうした「お顔全体のコンディションと魅力」を、周りの人々は受け取っています。

毛穴というお顔のほんの一部、わずか数パーセントのエリアの凸凹に囚われ、毎日何度も自分を責め続けてしまうのは、あまりにももったいないことです。その過剰な意識のせいで、本来のあなたが持つ豊かな表情や輝きまで曇らせないことです。

毎朝、鏡の前に立つたびに、「毛穴がひどい」と落ち込む毎日から、「今日のお肌、なんだかふっくらしていい感じ!」と微笑む毎日へ。

あなたのお肌が持つ、本来の輝きと健やかさを目覚めさせるスキンケアを、一緒に一歩ずつ歩んでいきましょう。

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  • スキンケアコラム著者
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北林 利江

北林 利江

シャレコ株式会社 創業者 スキンケアカウンセラー

・1997年よりスキンケアカウンセラー。 ・2004年ウェブサイト「シャレコ美肌カレッジ」立ち上げ。 ・同年ウェブでの無料肌相談を開始。 ・同年シャレコスキンケア製品を発表。 ・スキンケアカウンセラーとしてアドバイス実績10万人を超える。 ・ミスユニバース ビューティーキャンプ講師。 ・スキンケアメルマガ「シャレコレター♪」は20年間週一回発行。 ・肌トラブル向け特に敏感肌、乾燥肌へのスキンケアアドバイスには好評を得ている。

  1. 本当は、毛穴は開いているのではありませんでした。

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