スキンケアの基本

肌のザラザラ、取るほどスベスベになるとは限らない。ビニール肌にならないために。

〜角層と「回復美容」の本当の話〜

洗顔のあと、何気なく頬やあごに触れたとき、指先に小さなザラザラを感じたことはありませんか?

鏡に近づいて見ても、赤い吹き出物があるわけではない。でも、触るとなんだか硬くてゴワついている。

そんな「手触りだけの謎のザラザラ」に気づくと、多くの方がこう考えます。

「古い角質がたまっているのかしら?」
「毛穴の出口が詰まっているのかな?」
「ピーリングをすればツルツルになるかも!」

実際、ピーリングジェルでくるくるとなでて洗い流すと、直後はゆで卵の薄皮をむいたようにツルンとします。

「やっぱり角質がたまっていたんだわ♪」

ところが数日経つと、またあのザラザラが戻ってくる。もう一度ピーリング。それでもダメなら、スクラブ洗顔、酵素洗顔パウダー、拭き取り化粧水……。

こんなふうに「ザラザラを取るお手入れ」を繰り返していませんか?

たくさんの方のお肌のお悩みに寄り添ってきた中で、私がずっと気になっていることがあります。それは、ザラつきを感じたとき、多くの方が「肌の上に余計なものが居座っている」と思い込んでしまうことです。

もちろん、角栓や古い角質が原因のこともあります。でも、指先に触れるザラザラのすべてが「削り落とすべきゴミ」とは限りません。むしろ、「これ以上削らないで」という肌のSOSであることも多いのです。

今日は、そのザラザラの正体と、シャレコが創業以来大切にしてきた「回復美容」についてお話しします。

肌のザラザラ、正体はひとつではありません

ザラザラ=角質が厚くなっている、と考えがちですが、似た手触りでも原因はさまざまです。

・皮脂と角質が毛穴の出口で固まった「角栓」
・水分不足でキメがめくれ上がった「乾燥による乱れ」
・ターンオーバーの乱れで、角質が部分的に滞っている状態
・目に見えないほどの小さな炎症による、微細な肌荒れ
・稗粒腫(はいりゅうしゅ)など、別の皮膚の状態
・炎症のあとにできた、ごく小さなカサブタ

原因が違えば、必要なお手入れもまったく違います。

たとえば、毛穴に皮脂が詰まっている人と、乾燥でキメがめくれている人が同じピーリングをしたらどうなるでしょう。皮脂詰まりには一時的に役立つことがあっても、乾燥した肌にとっては、ただでさえ薄いバリアをさらに削られる大きな負担になってしまいます。

だからこそ、ザラつきを感じたら、すぐに「取るケア」に手を伸ばす前に、ひと呼吸おいてください。まずは「どうして今、ザラついているのかな?」と、肌の声に耳を傾けてほしいのです。

角質が厚いのではなく「乾いて縮んでいる」かも

肌のいちばん外側にある「角層」は、厚さわずか0.02ミリ。食品用ラップ1枚ほどの薄い膜です。

この膜が、体の水分が逃げないように守り、花粉や摩擦、紫外線などの刺激をはね返してくれています。

角層はよく「レンガとセメント」にたとえられます。

・レンガ=水分を抱え込む「角質細胞」
・セメント=すき間を埋める、セラミドなどの「細胞間脂質」

これがすき間なく並んでいると、肌は光をきれいに反射し、触れるとなめらかに感じられます。

ところが、空気の乾燥や熱いお湯での洗顔で水分が不足すると、レンガである角質細胞は硬くなり、端が反り返ってしまいます。

干上がった田んぼの土が、ひび割れてめくれ上がる様子を思い浮かべてみてください。

めくれ上がった角質

このめくれ上がった角質こそが、「ザラザラ」「ゴワゴワ」の正体であることがとても多いのです。

つまり、角質が分厚くたまっているのではなく、水分が足りずに縮こまっているだけ。

そこへスクラブやピーリングをすると、乾いて薄くなった角層がさらに削られ、セメント(細胞間脂質)まで失われてしまいます。これが、大人の肌が陥りやすい落とし穴です。

「ツルツル」と「肌が整った」は違います

ピーリングやスクラブの直後、指がすーっと滑るあの感触。わかりやすくて、また使いたくなる気持ちはよくわかります。

でもそのツルツル感は、肌が整った結果ではなく、表面を無理に剥がした直後の一時的なもの。

角層を強制的に剥がすと、肌はバリアを保てなくなり、急いで未熟な細胞を表面に押し上げます。未熟な角質は水分を抱えきれないため、数日後には前よりもザラつきやゴワつきが目立つようになるのです。

ザラつく → 取る → 一時的にツルツル → またザラつく → もっと強く取る……

なめらかな肌を目指していたはずが、いつの間にか自分の手でザラザラを生み出すループに入ってしまう。時間もお金もかけているのに、そんな結果は悲しいですよね。

お肌の断面図

要注意サイン「ビニール肌」

最近よく聞く「ビニール肌」。毛穴が見えず、ビニールのようにピカピカ光って見える肌のことです。

一見きれいに見えますが、よく見ると肌本来のキメ(皮溝・皮丘の凹凸)が消えてしまっています。そして、こんな不快感を抱えていることが多いのです。

・洗顔直後から顔全体がつっぱる
・いつもの低刺激な化粧水でもピリピリしみる
・風や髪が触れただけでムズムズかゆい
・お風呂上がりや気温の変化で、すぐ赤くほてる

これは、角質ケアや強いレチノール、高濃度の酸などを重ねた結果、角層が極端に薄くなっているサインです。
(※「ビニール肌」は医学用語ではありませんが、過剰なケアでバリアが弱った肌を指してよく使われます)

必要なのは、削るお手入れをすべてやめて、角層を休ませてあげること

この状態で「まだあごがザラつくから」とピーリングを重ねるのは逆効果。今必要なのは、削るお手入れをすべてやめて、角層を休ませてあげることです。

角質は、捨てるためだけにあるのではありません

広告などの影響で、「角質=古い垢」「くすみや毛穴詰まりの原因」といった悪者のイメージを持っている方も多いと思います。

確かに、役目を終えた一番外側の角質は、ターンオーバーの中で目に見えない垢となって自然に剥がれていきます。私もずっとこの様子を見てみたいと思っているのですが、肉眼では見えないそうです。それでも肌の変化を見ていると、毎日少しずつ生まれ変わっているのだと感じます。

でも、角層全体がいつ削ってもいいゴミなわけではありません。

角層は、細菌や花粉の侵入を防ぎ、体の潤いを守るために、昼も夜も最前線で働いてくれている大切なパートナー。「削る対象」である前に、「守るべき存在」なのです。

角層は、細菌や花粉の侵入を防ぎ、体の潤いを守るために、昼も夜も最前線で働いてくれている大切なパートナー

シャレコが20年以上、「洗いすぎない」「こすらない」「保水を最優先に」というシンプルなお手入れをお伝えしてきたのも、このためです。刺激を避けるだけでなく、肌がもともと持っているバリア機能を邪魔せず、しっかり働いてもらうためなのです。

ザラザラしたときこそ、「削る」から「守って育てる」へ。この発想の転換が、10年後の素肌を大きく左右します。

肌が働ける環境を整える「回復美容」

肌がゴワつき、刺激を受けやすくなっていると、つい「即効性のある特別な成分」を足したくなります。でも、傷口に高級な美容液を塗っても、しみるだけですよね。弱った肌に強い成分は、逆効果になりがちです。

大切なのは、肌に負担をかけるものを「引き算」することです。

・熱いお湯で洗わない(皮脂膜を守る)
・ゴシゴシこすらない(角層を傷つけない)
・強い薬剤やスクラブで角質を剥がさない
・乾いた角層に、水分をたっぷり届ける

肌のバリアは、外から人工的に作れるものではありません。私たちにできるのは、角層が本来の状態に戻れるよう環境を整え、後ろからそっと支えることだけです。

世の中には「肌を剥がして変化を出す美容」があふれています。シャレコが目指すのは、肌が自分の力で健やかに働けるよう、安心できる環境を整えて見守る「回復美容」です。

肌は、削って整えるものではなく、守り、慈しみながら育むもの。これが、私たちが何万枚ものカルテから学んできた皮膚の真実です。

シャレコクリームの処方に込めた想い

一般的なクリームの多くは、「化粧水が蒸発しないよう油分でフタをする」ことを目的に作られています。それもクリームの大切な役割です。

シャレコクリームはそれに加えて、ローションでの保水を基本にしながら、「弱った肌がどうすれば健やかな土台を取り戻せるか」を重視して処方を組み立てています。油分の重さに頼るのではなく、成分の組み合わせと全体のバランスにこだわりました。鉱物油などで肌を覆ってしまうのではなく、肌が自らなめらかさを取り戻せるよう、そっと寄り添う設計です。

・アラントイン:摩擦や乾燥で荒れがちな肌を、おだやかに整える
・トウキ・シコン・イチョウ・ウコンなどの和漢植物エキス:古くから肌をすこやかに保つために使われてきた植物の力で、肌のコンディションを支える

ピーリングを繰り返して肌を痛めてしまった方にこそ、このやさしさを感じていただきたいと思っています。

ローションで角層のすみずみまで水分を満たし、その水分を抱きしめるように、クリームを手のひらで薄く置くようにつける。この基本を重ねていくと、縮こまっていた角層がふっくらとほぐれ、無理に削らなくても、肌はなめらかさを取り戻していきます。

先ずは7日間、肌への接し方を変えてみませんか?

「私も角質ケアをやりすぎていたかも」と思った方は、今日から7日間、肌に余計な刺激を与えないお手入れを試してみてください。

① 削るお手入れをすべてお休みする
ピーリング、スクラブ、酵素洗顔、拭き取り化粧水、毛穴パックなどは、きっぱりお休みします。

② 洗顔のお湯は「24℃」に
熱いお湯は潤いを奪います。手が少しヒヤッとするくらいの24℃に設定してください。

③ すすぎは「8回以内」
泡を転がすように洗ったら、手ですくった水でやさしくすすぎます。シャワーを直接顔に当てるのはNGです。
(※肌の状態がひどい場合は、洗顔料をお休みしていただくこともあります)

④ ローションを少しずつ重ねて「保水」
シャレコローションを少量ずつ手に取り、5〜7回ほど、顔全体を包み込むように重ねます。こすったり叩いたりせず、手のひらの温もりでそっと押さえるイメージです。
(※しっとり系の化粧水は何度重ねても入りにくいため1〜2回で十分ですが、保水性の高い化粧水に切り替えると改善が早くなります)

⑤ クリームは手のひらで「置くように」
肌がひんやり柔らかくなったら、シャレコクリームを手のひらに薄く広げ、顔を包むように手を置いてなじませます。何度も塗り直したり、強くマッサージしたりはしないでください。

肌のリズムは人それぞれなので、7日間ですべてのザラつきが消えるわけではありません。でも、きっと良い変化を感じていただけるはずです。

確かめてほしいのはツルツル感ではありません

見てほしいのは、こんな小さな変化です。

・洗顔後のつっぱりが減っていませんか?
・化粧水がしみずに、すーっとなじみませんか?
・頬や口もとに触れたとき、柔らかさを感じませんか?
・日中の粉ふきや乾燥崩れが落ち着いていませんか?

こうした変化こそ、角層が息を吹き返し、バリア機能を立て直している証拠です。

肌が整っていく過程は、劇的なものではありません。「そういえば今日、つっぱらなかったな」「急いでクリームを塗らなくても、肌が落ち着いているかも」——そんな、ふとした心地よさに気づくことが、美肌への確かな一歩なのです。

「取る美容」から「なめらかさを育てる美容」へ

肌にザラつきがあると、どうしても「何かを取り除かなきゃ」と焦ってしまいます。

でも、すべてのザラザラが「取れば解決するもの」ではありません。肌が水分を欲しがっているのかもしれないし、毎日の摩擦に悲鳴を上げているのかもしれない。「もう削らないで」とSOSを出しているのかもしれません。

そんなときに必要なのは、ヤスリをかけることではなく、負担を減らし、水分と油分のバランスを整えてあげること。

お手入れで大切なのは、「何をするか」と同じくらい、「余計なことをしない」ことです。

これから空気が一段と乾き、肌にとってつらい季節がやってきます。角層を毛布でくるむように守りながら、うるおいを育てていきましょう。

「ザラザラを取る美容」から、「なめらかさを育てる美容」へ。

その小さな発想の転換が、あなたの素肌をもっと柔らかく、愛おしいものに変えてくれるはずです。

「私のザラザラは乾燥?それとも角栓?」「お手入れの見直し方が合っているか不安」という方は、公式LINEやお肌相談窓口へお気軽にご相談くださいね。あなたの肌を一緒に見つめ直していきましょう。

シャレコスキンケア公式LINE

【今回ご紹介したアイテム】

シャレコローション
乾いて硬くなった角層に、みずみずしい水分を届ける保水化粧水。重ねるほどにキメがふっくら整います。

シャレコクリーム
アラントインと和漢植物エキスを配合。肌本来のすこやかさとバリア機能を支えるクリームです。ベタつかず、薄いベールのように潤いを守ります。

 

 

 

 

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北林 利江

北林 利江

シャレコ株式会社 創業者 スキンケアカウンセラー

・1997年よりスキンケアカウンセラー。 ・2004年ウェブサイト「シャレコ美肌カレッジ」立ち上げ。 ・同年ウェブでの無料肌相談を開始。 ・同年シャレコスキンケア製品を発表。 ・スキンケアカウンセラーとしてアドバイス実績10万人を超える。 ・ミスユニバース ビューティーキャンプ講師。 ・スキンケアメルマガ「シャレコレター♪」は20年間週一回発行。 ・肌トラブル向け特に敏感肌、乾燥肌へのスキンケアアドバイスには好評を得ている。

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