SNSで耳にされたことあるかと思いますが、近年“スラッギング(一晩で保湿効果を最大化するスキンケアテクニック=ワセリンでフタをする)”が注目され、「翌朝のつっぱりが和らいだ」「粉吹きが落ち着いた」という声も多く聞かれます。
一方で、シャレコではワセリンの使い方を誤ると、かえって“シミ”や“肌のゴワゴワ(角質肥厚・ざらつき)”を招いたという何万人もの方のお悩みをサポートしてきていて、保水を軸にした薄膜での保護の仕方を提案しています。
ワセリンは、必要な人にとってはとても有効なものですので、メリットを加味しながら、陥りやすい落とし穴を回避する具体策として「シャレコ流の守り方」をお伝えします。
ワセリンの強みと弱み
【強み】
・高い閉塞性により、水分蒸散を抑えやすい
・香料・防腐剤などを含まず、成分がシンプルで刺激を感じにくい人が多い
・ドラッグストアで入手しやすく、コスパ良好
【弱み】(起こりやすい落とし穴)
・皮脂・汚れ・花粉・古い角質まで“抱え込んで”密閉してしまう
・膜が厚い・頻度が多いと角質の代謝リズムが乱れ、ごわつき・くすみにつながる
・蒸れやすい環境(高温多湿・運動・長時間マスク)で毛穴詰まり・白ニキビ・汗疹を誘発しやすい
・“落とし残し”が慢性化すると、くすみ(トーンダウン)や“シミっぽさ”(炎症後の色むら)を感じやすい
つまり、状況と塗り方次第で“味方”にも“敵”にもなるのがワセリンです。
「シミっぽさ」「ゴワゴワ」が生まれるメカニズム
① 密閉×不純物の“抱え込み”→炎症→色むら
皮脂が多い状態でワセリンを重ねると、皮脂酸化物や汚れ、花粉、メイク残りまで一緒に閉じ込めます。
これらは微小な炎症の温床になり、肌の赤み→色むら(炎症後の色素沈着)で“くすみやシミ”として残ることが多くあります。
とくに口周り・フェイスラインなど、マスクなどの接触で摩擦が加わる部位は注意が必要です。
②角質の過保護→ターンオーバー遅延→角質肥厚
厚め・毎晩・広範囲に塗るという方法は、角層の代謝サイクル(ターンオーバー)を鈍らせることがあります。
すると古い角質が溜まりやすく、ザラつき・くすみ・毛穴目立ちといった“ゴワゴワ感”の原因に。
保水が不足した状態で油膜を重ねてしまうと、短期的には楽に感じても、中長期的には“ターンオーバーが滞り、角質が動かなくなる肌”になりやすくなります。
これがシャレコからの警鐘です!
③蒸れ・温度上昇→毛穴トラブル
密閉による温度・湿度の上昇は、白ニキビ(コメド)や汗疹の引き金になります。
皮脂分泌が多いTゾーンや、髪の皮脂が触れるフェイスラインは特にリスクが上がります。
④ 落とし切れない膜→慢性くすみ、シミに
朝の洗顔で前日に塗ったワセリンが残れば、日中のファンデや皮脂と混ざって酸化・くすみの原因にもなります。
鉱物油ですので、夜も落とし切れないと蓄積してくすみやシミが出やすくなります。
こんなサインが出たら、ワセリン使用を見直して
・以前よりザラつき・角栓が増えた
・洗っても肌が重たい・くすむ
・小さなプツプツ(白ニキビ・汗疹)が増えた
・口角・小鼻わきの赤みが引きにくい
・頬骨の上が灰色っぽく影ばむ(ファンデが溜まる)
一つでも当てはまるなら、“量・頻度・範囲・前後のステップ”を調整すべきサインです。
シャレコ流「保水×薄膜保護」の考え方
シャレコの基本は一貫して保水が中心です
肌内部(角層)に水を十分に蓄え、そのうえで薄く・必要な部位だけ保湿でフタをする。
この順番が崩れると、“乾きの上に油膜”という逆転が起き、ゴワつきとくすみのループに入ります。
シャレコの“薄いベール”で保湿
■保水ローションの丁寧づけ
角層が“蓄える量”として、一回のお手入れで100円玉大を顔全体に手を当てるようにして載せます。
一度でビショビショにせず、ペタペタと浸透させていきます。約6回、ビンから取り出してはつけ、取り出してはつけとゆっくりと繰り返しつける。
■通気性を意識した保湿をする
蒸れや毛穴詰まりが気になる季節・肌質には、通気性を意識した保湿が大切です。
テクスチャーが軽く、皮脂に最も近い油分であるシャレコクリームやTTQオイルEXなでの保湿がおすすめです。
■保湿剤では足りない部分に薄くつける
保湿が足りないお肌にはレスキューバリアクリーム を塗布して、保湿を補いながら、外的刺激からお肌を守る保護膜を形成します。
ワセリンをご使用になる場合は、乾燥しやすい頬・口角・目の下など、保湿剤だけでは補いにくい部分に限定してください。
(※ワセリンをお顔全体に厚く塗布するのはお気をつけください。)
汗・皮脂の季節は“粉の力”も併用
顔・体ともにさらっと汗をはじく粉体を重ねると、蒸れ・摩擦を緩和しトラブルを予防。服やマスクの擦れポイントに有効です。
ポイントは、「厚い油膜」ではなく「薄いベール」。保水の“土台”があるほど、ベールは薄くて済みます。
ワセリン使用時のよくある疑問Q&A
Q. ワセリンは非コメドジェニックだと聞いたのに、なぜ詰まる?
A. 成分自体が“必ずしも詰まる”わけではありません。ただし皮脂・汚れを抱え込んで密閉すれば、個々の毛穴環境によっては詰まりやすくなります。薄く・短時間・局所づけが大事です。
Q.乾燥がひどい夜だけ、顔全体はダメですか?
A. 可能ですが、“保水をしっかりしてからの保湿”が有効です。全顔ワセリンは連夜で習慣化しないように気をつけましょう。
(アトピーなどで皮のめくれがひどく、皮膚科治療中の方は除きます。)翌朝は必ずクレンジングで一旦落としましょう。過去の累積でトラブルが出やすくなります。
Q. どのくらいが“薄い膜”の目安ですか?
A. 米粒〜小豆1つ分を皮むけ、ダメージ部分にだけ薄くつけます。
Q. ワセリンの代わりに何を使ったらいいですか?
A. 肌状態に応じて、保水を高めるシャレコローション・抗炎症作用のレスキュースキンジェル・通気性あるシャレコクリーム・粉体カバーできるレスキューSPパウダー・保湿しても足りないお肌にはレスキューバリアクリームなどを“組み合わせ”て使うのがシャレコ流です。
厚い油膜で一発解決は、のちのゴワつき・くすみの温床になりやすいと考えます。どうぞ、気をつけてくださいね。
まとめ:厚い“フタ”より、賢い“薄いベール”
ワセリンは適切な条件では、とても強い味方になりますが、量・頻度・範囲・環境を誤ると、シミ・ゴワゴワ・くすみの原因になります。
シャレコは「保水重視 → 薄膜で部分を保護 → 朝は必ず落とす」を基本に、季節・生活シーンに合わせて微調整する。
厚いフタは短期の快適さを与える一方で、角層の働きを鈍らせる“未来の肌トラブル”を作ってしまいます。
薄いベールと粉体の知恵、そしてていねいな保水で、“肌は軽いのに守れる肌”へ。