「肌の赤みは湿熱が原因?」のお話です。

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漢方の考え方を取り入れる

湿熱(しつねつ)という言葉、聞き慣れない言葉だと思いますが、漢方で用いられることが多いです。

湿熱とは、体内にたまり過ぎた不要な「水」と「熱」が、気や血のめぐりを邪魔して、様々な不調が起こっている状態です。

「水」は体を冷やして沈静化する役目があります。
「熱」は逆に、身体を温めて活動を活性化させる役目があります。

「湿熱」は、この二つが両方とも過剰になってしまい、体中に蔓延してしまう状態を言い、体の動きを悪くし、「気」や「血」の動きを邪魔するのです。

目やに、鼻水、痰、耳垂れなどにその症状が出ています。

また、表面上は分からないのに、皮膚の深いところでかゆみなどの不快感を感じることもあります。

湿熱タイプの人は、

花粉症、結膜炎、ものもらい、にきび、面疔(めんちょう)、脂漏性湿疹、おでき、アトピー性皮膚炎、ケロイドになりやすくなると言われています。

よく、シャレコでニキビや肌荒れがよくなった!となるのも、この湿熱の対処ができることも要因の一つだと思います。

ニキビや肌荒れが出来ると、化粧品や何か施術でよくしようと思ってしまいますが、内臓が影響していますから、食べ物にも気をつけたり、

湿熱タイプにならないような生活習慣をしていかないといけません。

と、言っている私自身も、忘年会のシーズンになると、お付き合いも増えて、同時に湿熱もたまっていくのか、小鼻の下に赤味が出たり、顎に吹き出物が出てきたりしています。

味の濃いもの、甘いもの、辛いもの、カロリーの高いものは控えないと溜まる一方です。

気をつけたいですよね。

湿熱タイプの人は、インナードライにもなりやすくなっています。

<西川のり子先生の中医学ベースの体内スキンケア>

湿熱について補足いたしましょう。
正常な体液はサラサラしています。

何らかの理由で体液が滞り変化したものを「痰湿」と言います。
粘り気が弱いものを「湿」、粘り気が強いものを「痰」と表します。
これら「痰湿」に熱が加わったものを「湿熱」と言います。

体内に必要以上の熱が発生し、体液が「徐々に煮詰まってしまった状態」とイメージするとわかりやすいかと思います。

カレーやシチューのルーを入れたばかりの時、まだサラサラとした液体です。
弱火でコトコト煮ているうちに、ドロドロになります。

カゼをひくと鼻水が出ます。
発熱すると、水のように透明で鼻からツーッと流れていた鼻水は、ドロっと痰のように粘りのある鼻水に変わります。
熱によって体液が濃縮してしまった状態です。

発熱せず平熱であったとしても長期間体内に熱がこもっていると体液は徐々に濃縮されていきます。

湿熱による症状としてわかりやすいものに「膿」があります。
ニキビ・吹出物、面疔(めんちょう)、おできなどは潰すと膿が出ます。

かくと黄色い汁が出るアトピー性皮膚炎から体内に必要以上の熱があることがわかります。
炎症という文字には「炎」とあり、熱の症状を伴います。

鼻水や結膜炎、ものもらいによる目ヤニも症状がひどいほど、体内の熱が強く黄色く濃くなります。

また、古代から体の状態を診るとき、赤くなっていると「熱がある」と判断しました。

この「熱」というのは、カゼをひいたときの発熱だけではありません。
冷え性であっても部分的に熱がこもってしまうことがあります。
皮膚炎は、一部の皮膚に熱がこもっている状態です。
患部は赤く熱をもっているはずです。

「甘いものは湿気を呼ぶ」と言われており、甘いものの摂り過ぎは体内に余分な湿気を生み体液の滞りや濃縮の要因となります。

油は火がつきやすく、加熱し続けることで発火することから熱を生みやすい性質を持っています。
油は水と相性が悪く、体液の流れを阻害することもあります。

よって、甘いものや油っぽいもの摂り過ぎは「湿熱を生む」と要因となるわけです。

湿熱を生む食べ物を指す時、「肥厚甘味」という言葉を使います。
カロリーの高い食物、味の濃いもの、甘いものという意味です。

また辛いものも熱を生むため、直接ではないものの湿熱の要因となるため摂り過ぎには注意しましょう。

胃に熱が滞ると、鼻の頭や小鼻、その付近にニキビ・吹出物ができやすくなります。

体液滞りは、お肌に潤いを届けることができません。
体内に余分な熱があると、お肌がほてりインナードライになりやすくなります。

ちなみに中医学では、コレステロールや中性脂肪も「痰」と言い、湿熱をとる治療を行います。
特に食事の改善が重要となります。